コセルゴ®について
神経線維腫症1型(NF1)と®叢状神経線維腫(PN)とは
監修:鳥取大学医学部 感覚運動医学講座 皮膚病態学分野
准教授 吉田雄一 先生
>国立成育医療研究センター 小児がんセンター 脳神経腫瘍科
診療部長 寺島慶太 先生
神経線維腫症1型(NF1)とは
カフェ・オ・レ斑と神経線維腫を主な症状とします。
そのほか、骨、眼、神経系などに症状が出ることがあります。
NF1でみられる症状の例
1人の患者さんにすべての症状があらわれるわけではありません。
また、患者さんによってあらわれる症状の種類や程度もそれぞれです。
より詳しく知りたい方は、NF1について幅広く解説している
こちらのサイトもご覧ください。
叢状神経線維腫(PN)とは
体の内部にできた神経線維腫が集まり、大きなかたまりとなったものをPNといいます。
PNには「神経の神経線維腫」と「びまん性神経線維腫」が含まれます。
PNはサイズや部位によって、さまざまな症状を引き起こし、患者さんの生活の質(QOL)を低下させます。
PNによって起こる症状の例
その他の特徴
- 治療がより難しい悪性の腫瘍になるリスクがあります。
- PNが大きくなる速さは小児で、特に年齢が低いほど速い傾向があることが報告されています(海外データ)1)。
- 重要な臓器の近くにできたり、臓器を巻き込んだりする場合があります。
- 血管がたくさん存在するため、出血する可能性があります。
- 1) Dombi E. et al.: Neurology 68(9): 643-647, 2007
PNの治療法
1
経過観察
- 生活の質(QOL)の低下もなく、大きくなる速さも緩やかな場合は、経過観察で様子を見る場合があります。
- 痛みなどの症状がみられる場合は、必要に応じて対処します。
2
外科的治療
必要に応じて行われます。
- 痛みや臓器の圧迫を引き起こしているPNを手術で取り除く治療です。
3
薬物治療(コセルゴ®)
完全切除が難しく、症状がある場合に行われます。
- 細胞が増える原因となるたんぱく質の働きを抑えることで、PNの腫瘍細胞の増殖を抑え、PNを小さくする治療です。
- 手術によって完全に切除することが難しく※1、症状のある※2 PNに対する、内服治療です。
- 3歳以上18歳以下の患者さんが対象となります。
- 重要な臓器を巻き込んだり、血管がたくさんあり、切除時に出血が起きやすかったりするものは、手術で完全に切除することが難しいとされます。
- 痛みが起こる、体の表面に盛り上がる、内臓や骨を圧迫する、血管がたくさん存在するので出血しやすいなど、QOLを妨げる症状を指します。