間質性肺疾患

コセルゴ®における注意事項、異常がみられた場合の対処方法1)

本剤の投与により、間質性肺疾患があらわれる場合があるので、次の事項に注意してください。

  • 小児を対象とした臨床試験において、間質性肺疾患の発現は認められていません。
  • 既承認のMEK阻害剤において、間質性肺疾患の発現が報告されています。
  • 日本人では外国人と比較して薬剤性肺障害の発現率が高いとの報告2)があります。

<異常がみられた場合の対処方法>

  • 必要に応じて休薬、減量や投与中止等、適切な処置を行ってください。
  • 厚生労働省のホームページに重篤副作用疾患別対応マニュアル「間質性肺炎」が掲載されていますのでご参照ください。
    https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/tp1122-1b.html(2024/02/09確認)
  1. コセルゴ適正使用ガイド(2024年3月作成)p32
  2. 日本呼吸器学会薬剤性肺障害の診断・治療の手引き作成委員会: 薬剤性肺障害の診断・治療の手引き第1版. メディカルレビュー社, 東京: 7-10, 2012

間質性肺疾患の用量調節基準1)

  • GradeはCTCAE ver.4.03に準じる

間質性肺疾患のGrade分類(一部)

肺臓炎のGrade分類(CTCAE v4.0 - JCOGより抜粋)2)

Grade1 Grade2 Grade3 Grade4
症状がない;臨床所見又は検査所見のみ;治療を要さない 症状がある;内科的治療を要する;身の回り以外の日常生活動作の制限 高度の症状がある;身の回りの日常生活動作の制限;酸素を要する 生命を脅かす;緊急処置を要する(例:気管切開/挿管)

肺臓炎のGrade分類(CTCAE v5.0 - JCOGより抜粋)3)

Grade1 Grade2 Grade3 Grade4
症状がない;臨床所見又は検査所見のみ;治療を要さない 症状がある;内科的治療を要する;身の回り以外の日常生活動作の制限 高度の症状;身の回りの日常生活動作の制限;酸素投与を要する 生命を脅かす;緊急処置を要する(例:気管切開や気管内挿管)
  1. コセルゴ電子添文2023年12月改訂(第3版)
  2. JCOGホームページ: Common Terminology Criteria for Adverse Events(CTCAE)Version 4.0, https://jcog.jp/assets/CTCAEv4J_20170912_v20_1.pdf, 2024/08/06確認
  3. JCOGホームページ: Common Terminology Criteria for Adverse Events(CTCAE)Version 5.0, https://jcog.jp/assets/CTCAEv5J_20220901_v25_1.pdf, 2024/08/06確認

臨床試験での発現状況(海外データを含む)1)2)

臨床試験での有害事象の発現状況(海外第Ⅱ相試験、国内第Ⅰ相試験、海外第Ⅰ相試験群と海外第Ⅱ相試験群の併合集団)

  • 小児を対象とした臨床試験において、間質性肺疾患は認められていません。
  • 成人悪性腫瘍患者を対象に本剤を単独投与した海外臨床試験において、1例(1/79例、1.3%)に因果関係が否定されていない間質性肺疾患(Grade3)が認められました。当該事象は本剤投与開始22日後に発現し、重篤な有害事象とされ、休薬に至りました。
海外第Ⅰ相試験(SPRINT試験第Ⅰ相)の試験概要
【目的】
NF1患者のPNに対するコセルゴ®の最大耐量、第Ⅱ相試験推奨用量、薬物動態、安全性、忍容性、及び有効性を検討すること
【対象】
組み入れ時に手術不能なPNを有する小児期のNF1患者24例
【方法】
標準的な3+3用量漸増デザインを用いて、コセルゴ®を3用量(20、25、30mg/m²[体表面積])について評価した。
コセルゴ®は1日2回(約12時間毎)を連日経口投与した。
【リミテーション】
NF1患者に対して未検証のアウトカム指標が含まれている。
海外第Ⅱ相試験(SPRINT試験第Ⅱ相-1)の試験概要
【目的】
NF1患者のPNに対する抗腫瘍効果及び臨床転帰から有効性を検討し、安全性についても検討すること
【対象】
組み入れ時にPN関連の病的状態を伴い、手術不能なPNを有する小児期のNF1患者50例
【方法】
コセルゴ®25mg/m²(体表面積)1日2回(約12時間毎)を連日経口投与し、コセルゴ®の有効性・安全性を評価する。
【リミテーション】
NF1患者に対して未検証のアウトカム指標が含まれている。
国内第Ⅰ相試験(D1346C00013試験)の試験概要
【目的】
PN関連の病的状態を伴い、手術不能なPNを有する小児期の日本人NF1患者を対象にコセルゴ®の安全性、有効性、及び薬物動態について検討すること
【対象】
PN関連の病的状態を伴い、手術不能なPNを有する小児期の日本人NF1患者12例
【方法】
コセルゴ® 25mg/m²(体表面積)1日2回(約12時間毎)を連日経口投与し、コセルゴ®の有効性・安全性を評価する。
【リミテーション】
患者数が少ないため、まれな有害事象の検出率が限られていた可能性がある。フォローアップ期間が短期である。
第Ⅰ相試験であり、有効性は予備的な評価である。
  1. コセルゴ適正使用ガイド(2024年3月作成)p32
  2. 社内資料:注意を要する副作用とその対策(承認時評価資料)
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