はじめに
神経線維腫症1型(neurofibromatosis type1、以下、NF1)における叢状神経線維腫(plexiform neurofibroma、以下、PN)の治療選択肢はこれまで、鎮痛等の対症療法を行う積極的な経過観察や、必要に応じた外科的切除に限られていました。しかし、外科的切除は出血リスクや腫瘍の部位により実施が困難な例もあり、新しい選択肢が求められていました。
そのような状況下で、MEK阻害剤であるコセルゴ®(以下、コセルゴ)が「神経線維腫症1型における叢状神経線維腫」を効能又は効果として承認され、2022年11月に発売されました。コセルゴの適正使用にあたっては、製剤プロファイルや患者さんの背景に則したフォローアップが必要不可欠ですが、コセルゴはPNを有するNF1患者さんに対する初めての薬物治療であることや、使用経験が限られることから、実臨床における使用経験の蓄積が重要となります。
そこで本コンテンツでは、神奈川県立こども医療センターの血液・腫瘍科 栁町昌克 先生、皮膚科 馬場直子 先生監修のもと、コセルゴ投与例における患者さんのフォローアップについて、副作用マネジメントを中心に、経験を共有していただきました。
取材年月:2023年4月