はじめに
神経線維腫は、神経線維腫症1型(以下、NF1)の特徴的な症状として知られています。この神経線維腫は大きく2つのタイプに分類され、1つは「皮膚の神経線維腫」、もう1つは神経の神経線維腫とびまん性神経線維腫を含む「叢状神経線維腫」です1)。叢状神経線維腫は、NF1の約30%、全身MRIで検索すると約50~60%の患者さんで見つかるという海外のデータもあり2-6)、NF1患者さんにとっては注意すべき症状の1つといえます。
コセルゴ®は、この「神経線維腫症1型における叢状神経線維腫」に対する初めての経口治療薬です。2022年11月の発売以降、処方が広がり、実臨床におけるデータが徐々に蓄積されつつあります。そこで今回は、発売早期からコセルゴ®を使用されている東北大学病院小児科の新妻秀剛先生に、治療継続のコツをテーマとしてご解説いただきました。
- 1)Yoshida Y.: Keio J Med, doi: 10.2302/kjm.2023-0013-IR, 2023[COI:著者は、アレクシオンファーマ合同会社より謝礼金を受け取っている]
- 2)Huson SM. et al.: Brain 111(Pt 6): 1355-1381 ,1988
- 3)Plotkin SR. et al.: PLoS One 7(4): e35711 ,2012
- 4)Jett K. et al.: Am J Med Genet A 167(7): 1518-1524, 2015
- 5)Mautner VF. et al.: Neuro Oncol 10(4): 593-598, 2008
- 6)Nguyen R. et al.: J Pediatr 159(4): 652-5.e2, 2011
取材年月:2024年2月