はじめに
叢状神経線維腫(以下、PN)は、神経線維腫症1型患者に高頻度で発症する腫瘍の1つです。臨床的な診断では30%1)、WBMRI(Whole Body MRI)によるスクリーニングを行うと50~60%に認めると推測されています2)3)。PNは全身のあらゆる部位、表層に限らず深部にまで発生しADL/QOLを低下させるだけでなく、悪性末梢神経鞘腫瘍への悪性転化のリスクもあります4-6)。
しかしながら、顕著な症状を呈さない、症状と腫瘍の因果関係の判断が難しい等、介入すべきか悩む症例を抱える先生方も少なくないのではないでしょうか。そこで今回は東京慈恵会医科大学 皮膚科学講座 客員教授の太田有史先生に、PNの病態と症候に関してご見解をいただきました。
- 1)Huson SM. et al.: Brain 111(Pt 6): 1355-1381, 1988
- 2)Plotkin SR. et al.: Plos One 7(4): e35711, 2012
- 3)Jett K. et al.: Am J Med Genet A 167(7): 1518-1524, 2015
- 4)Evans DG. et al.: J Med Genet 39(5): 311-314, 2002
- 5)Gupta G. et al.: Neurosurg Focus 22(6): E12, 2007
- 6)Landry JP. et al.: JAMA Network Open 4(3): e210945, 2021
取材年月:2024年12月